ASTRA

ある試合の後、秋山成勲は言った。「吉田先輩、僕と闘ってください」と。だが、その秋山は主戦場をアメリカUFCへと移し、吉田秀彦と拳を交えることはなくなってしまった。だが、そんな秋山の遺伝子を受け継ぐ者が、吉田の引退興行となるASTRAに出場することになった。これも因縁浅はかならぬものがあるということか!?
高校～大学～社会人とラガーマンだった坂下。高校時代は兵庫県で高校代表に選出されて、国体にも出場している。大阪体育大学に進学すると、２年生でレギュラーの座を獲得するなど活躍。その後、三菱自動車に入社後もラグビーを続けたが、秋山成勲の生き様に共鳴し、退職して総合格闘家に転進。
関西を拠点にするパワーゲイトでデビューし、リアルリズムやDEEP、CAGE FORCEで戦いの道を切り拓いていった。
記憶の新しいところでは、2009年8月2日、韓国・ソウルで開催されたK-1 WORLD GPのアジア予選のリザーブファイトの抜擢だ。KOICHIと対戦した坂下はK-1ルール初挑戦ながら、サウスポーから繰り出すパンチを武器にアグレッシブに前に出続けた。残念ながらTKO負けで初陣を飾れなかったが、ラグビー仕込みの突進力を活かしたファイトで会場を沸かせた。
秋山の遺伝子を継ぐ男は、ASTRAのオープニングファイトで、輝きを放つことができるのだろうか。